2026年9月13日

少額免税枠が世界で一斉に閉じている。直送モデルの前提が変わる

越境EC

越境ECの直送モデルは、多くの国にあった「少額なら関税を取らない」という枠に支えられてきました。この前提が、2026年に入って各国で同時に崩れています。1か国ずつの話として追うと見落としますが、並べると流れは明確です。

国ごとの現状

低価額輸入の免税枠(2026年9月時点)

  1. 01EU2026年7月1日に150ユーロの免税枠を廃止。HS6の品目ごとに3ユーロの暫定定額関税を課し、2028年7月1日で通常の関税へ移行予定。
  2. 02タイ2026年1月1日に1
  3. 03500バーツの免税枠を撤廃済み。
  4. 04ベトナム現行は郵便・速達で100万ドン(約38ドル)。財務省が10万ドン(約3.8ドル)への引き下げを含む政令案を意見公募中。まだ法令化されていません。
  5. 05インドネシア3ドル以下のみ免税。
  6. 06インドECで海外から直接購入した商品には輸入関税の免除枠がありません。

ベトナムが枠を残す理由

ベトナム財務省は低価額品への免税継続を支持していないと明言しつつ、完全撤廃ではなく引き下げを選んでいます。同国が京都規約(Kyoto Convention)の締約国であり、輸出入税法にも免税の規定が残っているためです。制度上の制約から段階的にしか動けない、という構図です。

なおベトナムは2025年2月18日施行のDecision 01/2025/QD-TTgで、速達輸入の100万ドン未満に対するVAT免除を既に廃止しています。今回の案が通れば、関税側も閉じることになります。

何が変わるのか

影響は「1件あたり数ドルのコスト増」にとどまりません。これまで直送モデルは、通関を簡素に済ませられること自体が競争力でした。免税枠が閉じると、品目分類の正確性、納税者の登録、申告データの整合性が常時問われるようになります。事務コストと、間違えたときのリスクが同時に上がります。

結果として、少額・多頻度の直送で回してきた事業ほど設計の見直しが必要になります。現地倉庫にまとめて入れる方式との損益分岐点が、これまでとは違う位置に動いているはずです。

どの国にどの方式で入れるかの設計については越境EC立ち上げでご相談を承っています。

参考:Viet Nam NewsHinrich Foundation「The twilight of de minimis」

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