2026年9月12日

ACOSだけを見て広告を止めてはいけない理由

Amazon広告

Amazon広告の相談を受けていると、「ACOSが高いから広告を止めたい」というご相談を多くいただきます。しかし、ACOSだけを見て広告の是非を判断すると、実は利益を出している広告を止めてしまうことがあります。

ACOSが測っているのは「広告の効率」だけ

ACOS(Advertising Cost of Sales)は「広告費 ÷ 広告経由の売上」で計算します。これは広告単体の効率を示す指標であり、その商品の粗利率や、広告をきっかけに増えたオーガニック(自然検索)経由の売上は反映されません。

たとえば粗利率が50%の商品であれば、ACOSが50%でも広告経由の利益はほぼゼロになりますが、粗利率が70%の商品であれば、同じACOS50%でも20%分は利益が残ります。商品ごとに粗利率が違う以上、「ACOS◯%以下でないとNG」という一律の基準は本来成立しません。

粗利率ごとの許容ACOS上限(広告経由の利益がゼロになる水準)

粗利率40%の商品40%
粗利率50%の商品50%
粗利率60%の商品60%
粗利率70%の商品70%
粗利率が変われば損益分岐点も動くため、「ACOS◯%以下」という一律の基準は成立しません。手数料や返品率を織り込むと上限はさらに下がります。

見るべきはTACOS

TACOS(Total Advertising Cost of Sales)は「広告費 ÷ 総売上(広告経由+オーガニック経由)」で計算します。広告が新規顧客の獲得やキーワードランキングの押し上げに貢献し、オーガニック経由の売上が伸びていれば、ACOSが高めでもTACOSは低く保たれます。

特に新商品のローンチ期は、広告でレビューと販売実績を積み上げてオーガニック順位を作りにいく段階のため、ACOSが高く出るのは想定内です。この時期にACOSだけを見て広告を絞ると、本来伸びるはずだったオーガニック売上の立ち上がりを自分で止めてしまいます。

実務での判断の順番

  1. 01許容ACOSの上限を先に決める商品の粗利率から、その商品が耐えられるACOSの天井を算出します。
  2. 02フェーズごとに目標を変えるローンチ期と安定期で目標ACOSを分け、同じ基準で評価しません。
  3. 03TACOSとオーガニック順位を合わせて見るACOSが高いままでも、総売上に対する広告費率と検索順位が改善していれば投資は効いています。
  4. 04在庫回転とキャンペーンの目的まで見て決める新規獲得か刈り取りかで役割が違うため、止める判断は最後に行います。

ACOSは重要な指標ですが、単体では「広告を止めるべきか」の答えを出せません。商品ごとの利益構造とフェーズを踏まえたうえで判断することが、広告予算を無駄にしないための基本です。

アカウント全体のACOS・TACOSの見直しについては、お問い合わせから現状のアカウントを拝見したうえでご提案します。

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