2026年6月24日

ACOSだけを見て広告を止めてはいけない理由

Amazon広告

ACOSが高い=止めるべき、ではない。 ACOSは「広告費 ÷ 広告経由の売上」で、その商品の粗利率も、広告が押し上げたオーガニック売上も含んでいない。同じACOS50%でも、粗利率50%の商品は利益ゼロ、粗利率70%なら20%残る。

だから基準は「ACOS何%以下」ではなく、商品ごとの許容ACOSを式で出すことになる。止める判断は、その式とフェーズを確認した最後に行う。

結論

  • ACOSは広告費を広告経由の売上で割った指標で、粗利率も自然検索の売上も含まない。
  • 同じACOS50%でも、粗利率50%の商品は利益ゼロ、粗利率70%なら20%残る。
  • 基準はACOS何%以下ではなく、粗利率から逆算した許容ACOS。止める判断は最後に行う。

まずやること

  1. 商品ごとの粗利率を出す(販売手数料・FBA・返品率を引いた後)
  2. 許容ACOSを式で計算し、いまのACOSと比べる
  3. ローンチ期か安定期かで、目標を分ける
  4. TACOSとオーガニック順位を同じ表に入れて週次で見る
粗利率返品・手数料を引いた後の率
許容ACOS粗利率 − 可変販管費 − 目標利益
TACOS広告費 ÷ 総売上(全体)
週次判断を見直す頻度
計算例。粗利率から可変販管費と目標利益を引いた残りが、広告に使える上限になる。

ACOSとは何か(定義)

ACOS(アマゾン・コスト・オブ・セールス)は、広告費が広告経由の売上の何%にあたるかを示す指標です。式は「広告費 ÷ 広告経由の売上 × 100」。数値が低いほど効率が良いという意味になります。

たとえば広告費が3,000円で、広告経由の売上が30,000円ならACOSは10%です。売上に対して広告費がどれだけかかったかを見ているだけで、利益が出ているかは分かりません。だからACOSだけで広告を止めるのは危険です。

ACOSが測っているもの

ACOSは広告単体の効率しか測らない。分母が「広告経由の売上」なので、広告を見て買った人が翌週に自然検索で買い直しても、その売上は分母に入らない。ACOSが悪く見えるとき、実際には広告が次の購買を作っていることがある。

一方で、ACOSが示すのは事実だ。その広告費で、その売上しか返ってきていないという事実は、利益計算の入口になる。問題は、それを単体で「止める理由」に使うことにある。

許容ACOSを式で決める

一律の基準が成立しないのは、粗利率が商品ごとに違うからだ。広告に使える上限は、粗利から決まる。

許容ACOS =(粗利率 − 可変販管費率 − 目標営業利益率)× 100。

たとえば粗利率55%、可変販管費10%、目標利益15%なら、許容ACOSは30%。この商品はACOS30%までなら利益が出る。 逆に粗利率35%の商品なら、許容ACOSは10%しかない。同じ「ACOS30%」でも、片方は合格で片方は赤字になる。

粗利率ごとの許容ACOS上限(可変販管費10%・目標利益15%の場合)

粗利率35%許容ACOS 10%
粗利率45%許容ACOS 20%
粗利率55%許容ACOS 30%
粗利率65%許容ACOS 40%
粗利率が変われば上限も動く。返品率の高いカテゴリは、さらに下がる。

TACOSで事業全体を見る

TACOSは「広告費 ÷ 総売上」で、広告経由と自然検索経由を合算する。広告がオーガニックを押し上げていれば、ACOSが高くてもTACOSは下がる。

指標計算わかること誤用すると
ACOS広告費 ÷ 広告売上広告単体の効率伸びる広告を止める
TACOS広告費 ÷ 総売上事業全体の広告費率商品別の判断ができない
粗利売価 − 原価 − 手数料使える広告費の上限赤字の広告を続ける

2つは役割が違う。 ACOSで商品ごとの採算を見て、TACOSでアカウント全体の投資水準を見る。片方だけで判断すると、必ずどこかで歪む。

フェーズで目標を変える

ローンチ期は、ACOSが高く出るのが正常だ。レビューと販売実績を積んで、検索順位を作る段階だから、広告は投資として回る。ここでACOSだけを見て絞ると、立ち上がりを自分で止めることになる。

安定期に入ったら、目標は変わる。新規獲得より、既存の売上の取りこぼしを防ぐ段階になる。同じ商品でも、フェーズが違えば許容ACOSは違っていい。

止める判断の順番

広告を止める前の確認順

  1. 01許容ACOSを式で出す粗利率から逆算する
  2. 02いまのACOSと比べる超えているか、範囲内か
  3. 03TACOSと自然検索の売上を見る全体で見て悪化しているか
  4. 04フェーズを確認するローンチ期なら判断を保留
  5. 05最後に止める・下げるを決める商品か、キーワードか、広告グループか

止める対象を間違えると、損失は広がる。ACOSが悪い原因がキーワードなら、商品の広告を止める必要はない。 検索語句レポートで、どの語が足を引っ張っているかを先に見る。

広告の種類ごとの使い分けはAmazon広告の種類に整理した。

よくある質問

ACOSとTACOSはどちらを見ればいいですか?

ACOSは商品ごとの採算、TACOSはアカウント全体の投資水準を見る指標です。片方だけで判断すると、必ずどこかで歪みます。

許容ACOSはどう計算しますか?

粗利率から可変販管費と目標利益を引いて出します。粗利率55%・可変販管費10%・目標利益15%なら、許容ACOSは30%です。

ACOSが高い広告はすぐ止めるべきですか?

いいえ。ローンチ期はACOSが高く出るのが正常で、止める判断は許容ACOSとフェーズを確認した最後に行います。

まとめ:今週やること

ACOSの見直し手順

  1. 01商品ごとの粗利率を出す手数料と返品を引く
  2. 02許容ACOSを計算する粗利率−販管費−目標利益
  3. 03TACOSを並べる事業全体で悪化しているか
  4. 04フェーズを分けるローンチ期と安定期
  5. 05週次で同じ表を見る判断のぶれを減らす

アカウント全体のACOS・TACOSの見直しは、サービスページで相談できます。

※数字の出典:https://advertising.amazon.com/help

株式会社unipeace

越境ECとAmazon広告運用に特化したコンサルティングパートナー。記事は一次情報をもとに、実務で使える形にまとめています。

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