2026年7月13日

日本の商標だけで海外Amazonのブランド登録はできるのか

越境EC

海外Amazonへの出店準備で必ず詰まるのが、ブランド登録(Brand Registry)と商標の関係です。「日本で商標を取ったから、そのままAmazon.comでも使える」と考えて進めると、途中で止まります。順番を間違えると数か月を失うため、着手前に整理しておく論点をまとめます。

結論

  1. ブランド登録に使えるのはAmazonが認める知財庁の商標だけ。日本の商標で登録できるのは日本国内のAmazonに限られる。
  2. 販売国を増やすなら国ごとに商標が必要。米国はUSPTO、英国はUKIPO、カナダはCIPO、EU各国はEUIPOというように分かれる。
  3. 出願中でも申請はできるが、できることは限られる。番号の種類と認証コードの送付先で止まりやすい。

まずやること

  1. 販売予定国を書き出し、国ごとに必要な商標を調べる
  2. ブランド登録ポータルの申請画面で知財庁の一覧を確認する(数は資料で食い違う)
  3. USPTOなら登録番号(7桁)か出願番号かを確認する
  4. 商標の権利者の連絡先(代理人宛か)を確認する
  5. 商標名・ロゴ・ページ表記・パッケージの表記を1つに固定する

前提:ブランド登録は「承認された知財庁の商標」が必要

ブランド登録には、登録済みまたは出願中の商標が必要で、その商標はAmazonが認めている政府の知財庁に出願されたものでなければなりません。未登録の慣習上の商標(コモンロー上の権利)やブランド名だけでは受理されません。米国では州レベルの商標も対象外で、USPTOの連邦登録が必要です。

日本の特許庁(JPO)は認められている知財庁に含まれます。したがって日本国内のAmazonであれば、日本の商標でブランド登録を進められます。

販売国が増えたら商標も増える

ブランド登録のアカウント自体は1つにまとめられます。ただし申請時に選べる知財庁は1つで、承認後に他国の商標を追加していく形になります。

国ごとの扱いで注意が必要な例

  1. 01米国(Amazon.com)米国内で権利として機能させるにはUSPTOの商標が必要です。日本の商標だけで日本と同じ保護が得られるわけではありません。
  2. 02英国(Amazon.co.uk)EU離脱後はEU商標だけでは足りず、英国知財庁(UKIPO)の商標が求められます。
  3. 03EU各国EUIPOの商標であればAmazonのEUマーケットプレイスをカバーできます。
  4. 04カナダ(Amazon.ca)カナダ知的財産庁(CIPO)の商標が必要です。

出願中でも申請できるが、できることは限られる

Amazonは対応知財庁への出願であれば、登録完了前の「出願中」の状態でも出願番号でブランド登録を受け付ける運用をしています。ただし出願中の段階ではツールへのアクセスは得られるものの、権利行使の面で制限があり、侵害の申告まで含めた完全な機能は登録完了後になります。

実務上の落とし穴が2つあります。1つは番号の種類です。USPTOの登録済み商標では、出願時のシリアル番号ではなく7桁の登録番号が求められます。もう1つは認証コードの送付先です。Amazonは商標の公式データベースに登録された権利者の連絡先へ認証コードを送るため、出願を代理人に依頼している場合、コードは代理人に届きます。ここを想定していないと審査が止まります。

2026年春からはFBAにも影響する

2026年春以降、メーカーのUPCバーコードをFBAで使う場合にブランド登録が必須になるとされています。これまで「ブランド登録は広告やA+のための任意の手続き」と捉えていた場合は、納品の前提条件として扱い直す必要があります。

商標の出願自体はAmazonへの登録とは別に特許庁への費用が発生し、弁理士に依頼する場合は報酬も加わります。どの国から出すか、いつ出すかは販売計画から逆算して決める話です。越境ECの立ち上げでは、この順番の設計から越境EC立ち上げでご支援しています。

販売国ごとに必要な商標(早見表)

販売国・地域必要になる商標注意点
日本(Amazon.co.jp)JPOの商標日本の商標で登録できる
米国(Amazon.com)USPTOの連邦登録州レベルの商標は対象外。登録済みなら7桁の登録番号
英国(Amazon.co.uk)UKIPOの商標EU離脱後はEU商標だけでは足りない
EU各国EUIPOの商標EUマーケットプレイスをカバーできる
カナダ(Amazon.ca)CIPOの商標米国の商標では代替できない

よくある質問

日本の商標だけでAmazon.comにブランド登録できますか

できません。米国で権利として機能させるにはUSPTOの商標が必要です。日本の商標は日本のAmazonでの登録に使えます。

出願中でも登録できますか

出願番号でブランド登録を受け付ける運用があります。ただし出願中は権利行使の面で制限があり、侵害の申告まで含めた機能は登録完了後になります。

認証コードが届かないときは

Amazonは商標の公式データベースに登録された権利者の連絡先へ認証コードを送ります。出願を代理人に依頼している場合は代理人に届くため、受け取れる体制を先に確認してください。

まとめ:今週やること

国別の商標を整理する手順

  1. 01販売予定国を書き出すまず候補国を決める。
  2. 02国ごとの必要商標を調べるUSPTO・UKIPO・EUIPO・CIPOなど。
  3. 03申請画面で一覧を確認する資料によって数が違うため画面で確認する。
  4. 04番号の種類を確認する登録番号か出願番号か。
  5. 05表記を1つに固定する商標名・ロゴ・ページ・パッケージを揃える。

株式会社unipeace

越境ECとAmazon広告運用に特化したコンサルティングパートナー。記事は一次情報をもとに、実務で使える形にまとめています。

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