米国Amazon(Amazon.com)は、2026年11月1日から12月31日までに買われた商品の返品期限を、2027年1月31日まで延長する。 Appleブランドの商品は2027年1月15日までだ。Amazonが倉庫から発送するFBA(Amazonに在庫を預けて発送してもらう方法)でも、自分で発送するFBM(自分で在庫を持ち、注文ごとに発送する方法)でも自動で適用される。出品者が申請する必要はない。
影響を受けるのは、米国Amazonで11〜12月に売るすべての出品者だ。11月1日に売れた商品は、買われた日から91日後まで返品される可能性が残る。12月の売上をそのまま「年末商戦の結果」として、1月の発注や広告予算を決めると、返品が戻った後に数字が変わる。11月1日までに返品の集計軸を決め、返品に備える金額を先に確保する。売上の確定日は、1月31日以降にずらす。
結論
- 対象は2026年11月1日〜12月31日の購入分。返品期限は2027年1月31日、Appleブランドは1月15日。
- 11月1日購入分は最大91日間戻り得る。12月の売上は、少なくとも1月31日までは確定しない。
- 出品者の手続きは不要。返品に備える金額を出し、発注と広告の評価を1月31日以降にずらす。
まずやること
- 11月1日までに、11〜12月の販売数をSKU(商品ごとの管理番号)で集計する準備をする
- 過去2年の同時期の返品率を商品カテゴリかSKU別に出す
- 返品1件あたりの損失(返金−再販売回収+返送費+検品費)を計算する
- 返品に備える金額を年末商戦の利益から先に引く
何が変わったか
Amazonが2026年10月にSeller Centralの公式お知らせ「Extended return window for items bought in November and December 2026」で公表した内容は、次のとおりだ。購入日が2026年11月1日〜12月31日の商品は、2027年1月31日まで返品できる。 Appleブランドの商品だけは1月15日までとなる。
| 購入日 | 返品期限 |
|---|---|
| 2026年11月1日〜12月31日(Apple以外) | 2027年1月31日 |
| 2026年11月1日〜12月31日(Appleブランド) | 2027年1月15日 |
| それ以外の時期 | 通常の返品期間(多くは配送後30日) |
延びるのは返品できる期間だけで、返品できる商品かどうかの条件は変わらない。Amazonの公開ヘルプ「Extended Holiday Returns policy」も、FBA・出品者発送・Amazon自身の販売のすべてに適用されるとしている。申請も設定変更も要らない。
通常の返品期間は、Amazonの返品ポリシーで「多くの商品は配送後30日」とされている。新品のAppleブランド商品は15日だ。今回の延長は、この通常期間を年末商戦の間だけ広げる。
なぜ毎年適用になるのか
Amazonは延長の理由を、年末の買い物の時期の客足を強めるためと説明している。返品できる期間が長ければ、贈り物を早めに買う人の不安は下がる。Amazonは「より良い買い物体験のため」とも書いており、返品のしやすさを販売促進に使う狙いと読める。
今回の発表で重要なのは、期間の長さより「毎年適用する」と明言した点だ。これまでは年末が近づいてから発表されていた。今後は、11月1日から1月31日までを返品期間として、毎年の計画に入れられる。ただし日付は年ごとに変わりうる。最新の告知は毎年確認する。
今回の告知には、返品率や返品額の見通しは書かれていない。自店の実績で数字を置くしかない。過去2年の11〜12月の返品率を、商品カテゴリかSKU別に出しておく。
1月の返品波をいくらで見るか
返品に備える金額は、次の式で出す。
返品損失 = 返品数 ×(返金 − 再販売回収 + 返送費 + 検品費)例として、11〜12月の販売数が1,000個、返品率が8%、販売価格が3,000円、再販売の回収率が70%、返送費が500円、検品費が200円とする。
- 返品数 = 1,000個 × 8% = 80個
- 再販売の回収額 = 3,000円 × 70% = 2,100円
- 返品1件の損失 = 3,000円 − 2,100円 + 500円 + 200円 = 1,600円
- 返品に備える金額 = 80個 × 1,600円 = 128,000円
この128,000円を、年末商戦の利益から先に引く。売上3,000,000円、広告費600,000円なら、返品前のROAS(広告費に対して売上が何倍か)は5.0だ。返品に備える金額を引くと、(3,000,000円 − 128,000円)÷ 600,000円 = 4.79になる。12月に見た5.0は、返品が戻る前の数字だったことになる。
返品率が12%なら192,000円、16%なら256,000円だ。1つの数字で決めず、8%・12%・16%の3通りで幅を見る。再販売できない商品は回収額が0円になり、1件あたりの損失は3,700円まで増える。箱がつぶれた商品を新品で売れるかが、損失の大きさを左右する。
実務で確認すること
1. 購入日と配送日のずれを見る。 告知は購入日基準、通常の返品期間は配送日基準だ。12月下旬の注文は、返品期限が2月に残る可能性がある。返品レポートで、1月31日を過ぎた返品も追う。
2. Appleブランドは別に管理する。 期限が1月15日で、通常の返品期間も15日と短い。Apple製品を扱うなら、返品に備える金額と確認日を分ける。
3. 返品できない商品を確認する。 生鮮食品、カスタマイズ品、最終販売(Final Sale)と表示された商品などは、延長後も返品できない。商品詳細ページと返品ポリシーで確認する。
4. FBAとFBMで見る場所を分ける。 FBAは返品された在庫の状態を返品レポートで確認し、再販売の設定を見直す。FBMは返送先と返送方法を返品設定で確認する。どちらも申請は不要だが、戻ってきた商品をいくらで売れるかは出品者が決める。
5. 12月の数字で発注を決めない。 1月31日までは返品が戻る。1〜3月の発注は、返品に備える金額を引いた「手残り売上」で決める。広告の評価も、返品が落ち着いた2月上旬にやり直す。
よくある質問
返品期限はいつまでですか?
2026年11月1日〜12月31日に買われた商品は2027年1月31日までです。Appleブランドの商品は1月15日までです。
Amazon.co.jpも同じですか?
同じではありません。今回の延長は米国Amazon.comの話です。Amazon.co.jpの返品期限は、日本のヘルプの表示を確認してください。
出品者は何か申請する必要がありますか?
ありません。FBAでも自分で発送する場合でも自動で適用されます。返品できる条件は変わらず、期間だけが延びます。
年末商戦の売上は、12月の管理画面の数字で確定しない。 11月に売れた商品が1月31日まで戻る可能性がある以上、12月の売上は「返品前の売上」だ。特に11月の早期購入分は返品期間が長い。12月の数字で1〜3月の発注を決めると、返品が戻った後に在庫が余る。
返品は防ぐより、戻ってきた在庫をいくらで売れるかで考える。 返送費や検品費を下げるより、箱を直して再販売できるかに投資したほうが、損失を小さくしやすい。1月31日を過ぎたら、返品理由をSKU別に見て、翌年に向けて梱包と商品ページを直す。
まとめ:今週やること
1月の返品に備える手順
- 0111〜12月の販売数をSKU別に出す返品レポートと突き合わせる
- 02返品率を3通りで置く8%・12%・16%など
- 03返品1件の損失を出す返金−再販売回収+返送費+検品費
- 04返品に備える金額を利益から引く広告のROASも引き直す
- 051月31日を確定日にするAppleブランドは1月15日
返品を含めた在庫の見方はAmazonの在庫管理で整理している。個別の相談はサービスページからどうぞ。