2026年10月28日

Amazon広告、9月29日から1つの予算で複数形式。長期ROASは67%高いと発表

Amazon広告

Amazon Adsは2026年9月29日、1つの予算でスポンサー広告・ディスプレイ・動画・ストリーミングTVをまとめて運用する「Full-Funnel Campaigns(全ファネル型キャンペーン)」の公開テストを始めた。 対象はAmazonで販売する米国の広告主だ。AIが広告の形式を選び、購買までの段階ごとに予算を配分する。

Amazonの発表では、テスト参加者の長期ROAS(広告費に対する長期の売上比率)は、同じ形式を個別に運用した場合より67%高かった。 新規顧客の獲得単価は29%低かった。ただし、これは2026年6〜8月の早期テストの平均で、個別の結果は変わるとAmazon自身が注記している。

結論

  • 1つの予算に複数の広告形式をまとめるFull-Funnel Campaignsの公開テストが、米国で始まった。
  • 長期ROASは同じ形式を個別に運用した場合より67%高く、新規顧客の獲得単価は29%低い。
  • 67%と29%は早期テストの平均だ。別枠の予算で4週間並行し、長期売上と新規顧客単価で既存と並べて判断する。

まずやること

  1. 米国アカウントで使えるか、広告コンソールで確認する
  2. 別枠の予算を決め、比較できる商品群を選ぶ
  3. 長期売上(LTS)と新規顧客の獲得単価を、開始前から記録する
  4. 4週間後に既存の数値と並べて判断する
67%長期ROASの差(同じ形式を個別運用した場合比)
29%新規顧客の獲得単価の差(同条件比)
12カ月長期売上(LTS)に含める将来価値の期間
2026年9月29日公開テストの開始日
Amazon Adsの発表(2026年9月29日)より。数値は早期テスト参加者の平均。

何が始まったのか

Full-Funnel Campaignsは、スポンサー広告、ディスプレイ、動画、ストリーミングTVを1つのキャンペーンにまとめる。広告主が決めるのは、商品、予算、任意のROAS下限だ。 どの形式にいくら配分するかはAIが決め、リアルタイムで調整する。

項目これまでの運用Full-Funnel Campaigns
予算形式ごとに設定1つの予算
配分広告主が形式ごとに判断AIが形式と段階ごとに調整
クリエイティブ形式ごとに用意画像・TV用動画を内製ツールで生成
測定形式ごとのROASが中心長期売上(LTS)も確認
提供地域―米国のみ(2026年10月27日時点)

Amazonは、需要を作る広告と取り込む広告が信号を共有し、ストリーミングTV広告がスポンサー広告の成果を押し上げ、その逆も起きると説明する。認知から購入までを1つのキャンペーンで見る設計だ。

同じ発表で、Amazon Ads AgentとDVA+も公表された。Ads Agentは広告コンソールとDSP(Amazon以外のサイトにも広告を出す仕組み)をまとめる会話型の管理画面だ。

なぜ1つの予算にまとめるのか

Amazonは、広告主が需要の創出と獲得の間で戦略を分けてきたと説明する。予算を分けると、どちらが売上に効いたかを切り分けにくい。 1つの予算で形式をまたいだ信号を共有し、最適化しやすくなるという。

測定の考え方も変わる。Full-Funnel Campaignsでは、通常のコンバージョンに加えて、新規顧客が12カ月以内に起こす行動の推定価値を「長期売上(LTS)」として見る。

ただし、67%と29%は早期テストの平均で、誰にでも当てはまる数字ではない。Amazon自身が「個別の結果は変わる」と注記している。 既存の置き換えではなく、追加テストとして扱う。

実務で確認すること

まず、広告コンソールで入口を確認する。米国以外のアカウントでは表示されない可能性がある。 日本アカウントだけなら、米国の広告アカウントの有無を見る。

次に、条件を決める。既存キャンペーンと同時に、別枠の予算で回す。 商品群、価格、在庫、販売期間を既存とそろえないと、差の再現性を判断できない。

4週間後に評価する。見る数字は、長期売上(LTS)、新規顧客の獲得単価、総売上の3つだ。 直近のACOS(広告費÷広告経由の売上)だけを見ると、12カ月の効果を取り逃がす。既存の数値と並べ、追加予算として黒字かを見る。

今回の数字は、Amazonの早期テストの結果だ。 67%という差は、誰でも再現する数字ではない。既存キャンペーンと並行できる点を生かし、比較できる条件で小さく試すのが現実的だ。

判断軸は、長期の売上と新規顧客の獲得単価に置く。 直近のACOSだけを見て予算を移すと、12カ月の効果を取り逃がす。4週間、別枠の予算で回し、LTSと新規顧客単価が既存を上回るかを見る。

よくある質問

Q. 日本からも使えますか?
2026年10月27日時点の対象は米国のみです。日本アカウントだけでは表示されない可能性があるため、米国の広告アカウントの有無を確認します。

Q. 67%と29%は、そのまま当てはまりますか?
いいえ。2026年6〜8月の早期テストの平均で、Amazon自身が個別の結果は変わると注記しています。誰でも再現する数字ではありません。

Q. 何を見て判断すればいいですか?
長期売上(LTS)、新規顧客の獲得単価、総売上の3つです。4週間後に既存キャンペーンと並べて判断します。

広告の種類と最初の設定はAmazon広告の種類とスポンサープロダクト広告を参照。

まとめ:今週やること

テストを始める順番

  1. 01米国アカウントで入口を確認する日本アカウントだけでは使えない可能性
  2. 02比較する商品群を決める価格・在庫・販売期間を既存とそろえる
  3. 03別枠の予算と停止条件を決める4週間で既存を下回れば止める
  4. 04既存キャンペーンと並べる総売上とLTSの両方を見る

米国Amazonの広告運用と予算設計を相談したい場合は、サービスページで相談できます。

※数字の出典:https://advertising.amazon.com/en-us/resources/whats-new/full-funnel-campaigns-from-discovery-to-sales/

株式会社unipeace

越境ECとAmazon広告運用に特化したコンサルティングパートナー。記事は一次情報をもとに、実務で使える形にまとめています。

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