FBAで儲からないとき、売上の數字を見ても原因は分からない。 見るべきは1個あたりの粗利で、そこから手数料・広告費・値下げ・返品・在庫・原価の6つに分けて切り分ける。原因が分かれば、打ち手はほぼ決まる。
ここでは、切り分けの順番と、それぞれの打ち手を整理する。「なんとなく値下げする」「とりあえず広告を止める」は、原因を外すと逆効果になる。
結論
- 儲からない原因は手数料の見積もり違い・広告費・値下げ・返品・在庫の滞留・原価高騰の6つ。
- 切り分けは売価 → 原価 → 手数料 → 広告費 → 保管料 → 返品の順で行う。上から見ると原因が絞れる。
- 打ち手は値上げ・サイズ見直し・広告の絞り込み・在庫回転・セット販売。それでも合わない商品は撤退を決める。
まずやること
- 商品ごとに1個あたりの粗利を出す(売価から順に引く)
- 粗利がプラスでも足りないなら、広告費と保管料を疑う
- 粗利がマイナスなら、原価・手数料・値下げのどれが効いているかを見る
- 3ヶ月改善して戻らない商品は、撤退の線を引く
原因1:手数料の見積もりが違う
一番多いのがこれ。 販売手数料・配送代行手数料・保管料・返品処理の4つを正確に入れていない。
- 梱包後のサイズで区分が変わるのを忘れている
- 繁忙期の保管料単価を見ていない
- 返品処理を「返金だけ」だと思っている
確認方法:セラーセントラルの手数料の明細を見て、見積もりと実績の差を商品ごとに比べる。差が大きい商品は、ここが原因だ。
原因2:広告費が粗利を食っている
広告経由の売上が増えても、粗利より広告費が大きければ赤字になる。
確認方法:広告費 ÷ 広告経由の売上(ACOS)を出し、粗利率と比べる。ACOSが粗利率を上回っているなら、その広告は売るほど損をしている。
打ち手は入札の引き下げより、除外のほうが効くことが多い。成果の出ていない検索語を止めるだけで、ACOSは下がる。
原因3:値下げで率が崩れている
値下げすると販売手数料の「率」は変わらないので、値下げ分がそのまま粗利を削る。10%値下げすると、粗利は10%以上減る。
確認方法:値下げ前後の粗利を並べる。売上数量が増えて粗利が減っているなら、値下げが原因だ。
原因4:返品が多い
返品は返金だけでは終わらない。 返品処理の費用、再販できない在庫の損失、送料が乗る。返品率が10%を超えるカテゴリ(衣類・靴・サイズ展開のある商品)は、ここが効く。
確認方法:返品率 × 1件あたりの損失を粗利から引く。返品理由(サイズ違い・説明不足・破損)を見ると、打ち手が分かる。
原因5:在庫が滞留している
売れない在庫は、毎月の保管料と長期附加料で利益を削る。 181日を超えると附加料が乗る。
確認方法:在庫日数(在庫数 ÷ 1日の販売数)を商品ごとに出す。90日を超えたら黄色、150日を超えたら赤と考えると動きやすい。
打ち手は値下げ処分だけではない。AWD(手前の倉庫)に逃がす、返送して自社在庫にする、セット販売で動かす、という選択肢がある。
原因6:原価と為替で押されている
仕入れ値の上昇、輸送費の高騰、為替の変動は、自分の努力では止められない。ただし価格に転嫁する判断はできる。
確認方法:原価率(原価 ÷ 売価)の推移を見る。半年前と比べて5ポイント以上上がっているなら、価格の見直し時期だ。
改善の打ち手
原因ごとに、打ち手は違う。
| 原因 | 打ち手 | 効きやすさ |
|---|---|---|
| 手数料の見積もり違い | 梱包サイズの見直し・区分の再確認 | 大 |
| 広告費 | 検索語の除外・入札の調整 | 大 |
| 値下げ | 価格の戻し(競合との差を見て) | 中 |
| 返品 | 商品説明・サイズ表の改善 | 中 |
| 在庫の滞留 | AWD・返送・セット販売 | 中 |
| 原価高騰 | 価格転嫁・仕入れ先の見直し | 小〜中 |
最初に手を付けるのは「手数料」と「広告費」。自分の判断だけで変えられて、効果が出るのが早いからだ。
それでも合わない商品は撤退する
すべての商品が儲かるわけではない。 次の3つに当てはまるなら、撤退を考える。
- 3ヶ月改善して粗利がプラスに戻らない
- 広告を止めると売上がゼロになる(広告依存で採算が合わない)
- 在庫の回転が90日を超えて改善しない
撤退は失敗ではない。売れない在庫を抱え続けるほうが損失は大きい。在庫を処理して、儲かる商品に資金を移すのが正解だ。
よくある質問
FBAで儲からない一番の原因は何ですか?
手数料の見積もり違いが最も多いです。梱包後のサイズ・繁忙期の保管料・返品処理を正確に入れていないケースが目立ちます。
利益が出ているかはどう確認しますか?
商品ごとに1個あたりの粗利を出します。売価から原価・販売手数料・配送代行手数料・保管料・広告費を順に引いて確認します。
改善しても儲からないときはどうしますか?
3ヶ月試して粗利が戻らない場合は撤退を検討します。在庫を処理して、儲かる商品に資金を移します。
在庫と納品の見直しはFBA納品のやり方を参照。
在庫日数の目安と発注点はAmazonの在庫管理に整理した。
Amazon運用の全体像と読む順番はAmazon運用の教科書にまとめた。
まとめ:今週やること
儲からない原因を切り分ける手順
- 011個あたりの粗利を出す商品ごとに計算
- 02手数料の見積もりと実績を比べる差が大きい商品を探す
- 03ACOSと粗利率を比べる広告が食っていないか
- 04在庫日数を出す90日超は黄色
- 053ヶ月改善して戻らなければ撤退資金を移す
FBAの採算改善と広告の見直しは、サービスページで相談できます。手数料の内訳はFBA手数料の全体像にまとめた。