2026年10月28日

FBAに在庫を全部入れると、181日目から高くつく。長期在庫はAWDに逃がす

Amazon運用

長期在庫を全部FBAに置くのは、ほぼ常に高い選択だ。 米国のFBA実務者が共有した試算でも、12ヶ月かけて売る3,000個をそのままFBAに入れる案は、181日を超えたあたりから保管費が跳ねるという指摘が真っ先に出ている。

代わりに使うのがAWD(Amazon Warehousing & Distribution)だ。FBAの手前にある倉庫で、FBAより立方フィートあたりの保管単価が安く、長期保管の附加料もかからない。 売れた分だけFBAへ補充する形にする。全部をFBAに置かず、置き場所を分けるのが結論になる。

結論

  1. 12ヶ月かけて売る3,000個を全部FBAに置く案は、181日を超えるところで保管費が跳ねる。
  2. AWDはFBAより立方フィートあたりの保管単価が安く、長期保管の附加料もかからない。
  3. 全部をFBAに置かず、FBAは2〜3ヶ月分に絞り、残りはAWDに置くのが結論だ。

まずやること

  1. 月の販売数から、FBAに置くべき月数(2〜3ヶ月)を決める
  2. 残りの数量をAWDに置くと仮定して、費目を分けて計算する
  3. FBAの容量制限で、そもそも一括で入庫できるかを確認する
  4. 補充のリードタイムを日数で押さえ、欠品ラインを決める
181日FBAの長期保管で附加料が重くなる境目
2〜3ヶ月FBAに置く在庫の目安
AWDFBAの手前の倉庫。補充前提で使う
容量制限FBAは一括入庫できないことがある
米国の実務者スレッドとAmazonの公表資料より。単価は時期・サイズで変わるため、必ず自社の商品で再計算する。

なぜ全部FBAだと高くつくのか

FBAの保管費は日数で段階的に上がる。181日を超えた在庫は特に重く、売れ残っているだけで毎月の利益を削る。12ヶ月かけて売る前提の在庫は、最初から長期在庫になる運命にある。

さらに、FBAには容量制限がある。 3,000個を一度に入れようとしても、入庫枠が足りず分割を強いられることがある。「全部FBA」は、コスト以前に物理的に成立しない場合がある。

保管費の段差はFBAの保管コストの記事で整理している。IPIとの関係はIPIの記事にまとめた。

費目の構造を分けて考える

FBAとAWDは、かかる費用の種類が違う。同じ「保管」でも、どこで何に払うかが変わる。

費目FBAAWD
入庫・輸送入庫輸送+入庫手数料処理費+輸送費
保管月次の保管費+長期の附加料立方フィート単価の保管費
FBAへの補充都度の入庫自動補充で継続的に
長期の附加料181日超で重くなる同種の附加料はない

AWDは「置き場所」、FBAは「販売の場」と分けて考えると判断しやすい。AWDに置いた在庫は、売れる見込みに応じてFBAへ送る。

計算の順番

いきなり保管費を比べない。 先に月の販売数を出し、そこからFBAに置く量を決める。

置き場所を決める計算順

  1. 01月の販売数を出す過去3ヶ月の平均でよい
  2. 02FBAに置く月数を決める2〜3ヶ月分を上限に
  3. 03残りをAWDに置くと仮定する一括で入る量を確認
  4. 04保管費と処理費を合計する12ヶ月分を月割りで比較
  5. 05補充リードタイムを足す欠品ラインを決める

4番目が本題だ。FBAの保管費だけで比べると、AWDの処理費と輸送費を見落とす。「12ヶ月トータルでいくらか」で比べると、長期在庫ではAWDが有利になりやすい。

見落としやすい3点

1つ目は、補充のリードタイム。AWDからFBAへの補充には日数がかかる。在庫が薄いと欠品し、機会損失のほうが保管費より大きくなる。

2つ目は、SKUを増やしすぎないこと。置き場所が増えるほど、どの在庫がどこにあるかを把握する手間が増える。長期在庫は1〜2 SKUに絞ってから運用を分けるのが安全だ。

3つ目は、中国のサプライヤーに置いたままにする選択肢だ。保管費は最も安いが、欠品したときの対応が最も遅い。 「安いが遅い」と「高いが速い」のどちらを取るかは、商品の粗利と再販の見込みで決める。

よくある質問

AWDに置いた在庫は、どうやってFBAへ補充するのですか?
売れた分だけFBAへ補充する。AWDからの補充には日数がかかるため、リードタイムから逆算して欠品ラインを決めておく。

FBAに置く在庫は何ヶ月分が目安ですか?
2〜3ヶ月分を上限にする。181日を超えさせないことを目安にすると、長期保管の附加料を避けやすい。

長期在庫はAWDだけに置けばいいのですか?
そうではない。AWDは置き場所で、FBAは販売の場だ。FBAに2〜3ヶ月分を置き、残りをAWDに分ける。

在庫日数と発注点の考え方はAmazonの在庫管理にまとめた。

まとめ:今週やること

長期在庫の置き場所を決める順番

  1. 01月の販売数を出す過去3ヶ月の平均
  2. 02FBAは2〜3ヶ月分に絞る181日を超えさせない
  3. 03残りはAWDに置く自動補充を有効にする
  4. 0412ヶ月トータルで比較する処理費・輸送費も含める
  5. 05欠品ラインを決める補充リードタイムから逆算

FBAの在庫配置と保管コストの試算は、サービスページで相談できます。

※数字の出典:https://www.reddit.com/r/FulfillmentByAmazon/comments/1xfr6gk/

株式会社unipeace

越境ECとAmazon広告運用に特化したコンサルティングパートナー。記事は一次情報をもとに、実務で使える形にまとめています。

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