2026年10月28日

越境ECとは何か。3つのやり方と、始める前に決める4つのこと

越境EC

越境ECとは、海外の消費者に国をまたいで商品を売ること。日本のAmazonで売るのと違い、輸出者・輸入者・関税・送料の4つを決める必要がある。ここを曖昧にしたまま始めると、売れたのに利益が残らないか、税関で止まる。

やり方は大きく3つ。Amazonなどのモール経由、越境EC専用モール、自社サイトだ。それぞれ必要になる準備が違うので、先に「どの形で売るか」を決めるのが最短になる。

結論

  1. 越境ECは海外の消費者に国をまたいで売ること。国内ECとの違いは関税・送料・言語・輸出者の4点。
  2. やり方はモール経由・越境ECモール・自社サイトの3つ。モール経由が最も始めやすく、自社サイトは集客が必要。
  3. 始める前に決めるのは誰が輸出者か(IOR)・関税の負担者・送料の設計・言語対応の範囲。

まずやること

  1. 売り先の国を1つに絞る(日本→米国、日本→EUなど)
  2. 誰が輸入者(IOR)になるかを決める(自社か、プラットフォームか)
  3. 商品のHSコードと関税率を調べる
  4. 送料と関税を販売価格に含めるか、別建てにするかを決める
3形態モール経由・越境ECモール・自社サイト
4点輸出者・関税・送料・言語
2方式販売価格に関税を含める(DDP)か、受け取る側が払う(DDU)か
1国最初に絞るべき売り先
越境ECの判断に使う4点。関税の扱いは国と商品で変わるため、最新の税率は税関の情報で確認する。

越境ECと国内ECの違い

売り方は同じに見えて、4つの点で違う。

項目国内EC越境EC
関税・税消費税のみ関税+現地の税(VAT・売上税など)
送料国内の配送料国際輸送+現地配送
言語日本語販売先の言語
責任販売者輸出者・輸入者の区分が必要

一番の落とし穴は関税と税だ。販売価格を決めるときに、関税と現地の税を入れ忘れると、売れるほど利益が減る。

やり方は3つ

どれを選ぶかで、必要な準備とコストが変わる。

1. Amazonなどのモール経由(輸出)

日本のAmazonから海外へ輸出する形、または各国のAmazonに出品する形。集客をモールに任せられるのが最大の利点。出品と物流の設計が主な仕事になる。

2. 越境EC専用モール

海外の消費者向けのモール(現地のECサイト)に出店する形。現地の集客力を使えるが、手数料と出品のルールを確認する必要がある。

3. 自社サイト(Shopifyなど)

自分で EC サイトを作り、海外に売る形。利益率は高いが、集客を自分で作る必要がある。広告費と送料の設計が重要になる。

最初は1つに絞る。3つ同時に始めると、どれも中途半端になる。

始める前に決める4つ

1. 誰が輸入者(IOR)になるか

海外に商品を送る場合、受け取る国で「輸入者」が必要になる。自社が輸入者になるか、プラットフォームの仕組みを使うかで、責任と書類が変わる。米国では輸入者の要件が厳しくなっており、輸入者(IOR)の記事で整理した。

2. 関税と税の負担者

販売価格に関税を含める(DDP)か、受け取る側が払う(DDU)かを決める。DDPのほうが購入者の体験は良いが、関税率が読めないと利益がぶれる。

3. 送料の設計

国際輸送は重量とサイズで料金が跳ねる。送料を無料にすると、軽い商品ほど赤字になりやすい。送料を販売価格に織り込むか、別建てにするかを決める。

4. 言語対応の範囲

商品ページだけ翻訳するのか、カスタマーサポートも対応するのかで、必要な体制が変わる。返品や問い合わせが発生するので、サポートの言語を決めずに売り始めると詰まる。

向く商品・向かない商品

越境ECは「送料と関税に耐える商品」しか成立しない。

商品の特徴向き理由
単価が高く、軽い向く送料の比率が下がる
日本らしさがある向く現地で代替が効きにくい
リピートされる消耗品向く2回目以降の送料負担が軽い
単価が低く、重い向かない送料と関税で利益が消える
サイズ展開が多い要注意在庫と返品の管理が重くなる

「国内で売れているから海外でも売れる」とは限らない。 現地の価格帯と競合を先に見る。

制度の変化に注意する

越境ECは制度の影響を強く受ける。少額免税の廃止や、関税の課し方が変わると、採算が一気に変わる。

制度は四半期ごとに見直す。半年前の前提で価格を決めていると、いつの間にか赤字になる。

よくある質問

越境ECとは何ですか?
海外の消費者に、国をまたいで商品を売ることです。国内ECとの違いは、関税・送料・言語・輸出者の4点です。

越境ECのやり方は何種類ありますか?
Amazonなどのモール経由、越境EC専用モール、自社サイトの3つです。最初は1つに絞るのが安全です。

越境ECを始める前に何を決めますか?
売り先の国、輸入者(IOR)、関税の負担者、送料の設計、言語対応の範囲です。

海外在庫をAmazonの倉庫に置く場合の費用はFBA手数料の全体像にまとめた。

関税の分類(HSコード)の調べ方はHSコードとはにまとめた。

関税の計算は関税の計算方法で手順を整理している。

Amazon運用の段階別の読み方はAmazon運用の教科書に整理した。

関税の試算は関税計算シート(無料テンプレート)でできる。

危険物の申告が必要な例はShopeeの危険物申告の厳格化で確認できる。

まとめ:今週やること

越境ECを始めるまでの順番

  1. 01売り先を1国に絞る米国かEUか
  2. 02輸入者を決める自社かプラットフォームか
  3. 03HSコードと関税を調べる商品ごとに確認
  4. 04送料を含めた価格を試算する関税と送料を忘れずに
  5. 051つの販路だけで始めるモールか自社サイトか

越境ECの準備の全体像はチェックリスト、輸出・関税の設計はサービスページで相談できます。

株式会社unipeace

越境ECとAmazon広告運用に特化したコンサルティングパートナー。記事は一次情報をもとに、実務で使える形にまとめています。

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